日本に初めてソーラーパネル(太陽電池モジュール)が設置されてから今年で約30年が経ちましたが、ソーラーパネルにも寿命があることはご存じでしょうか?今回はソーラーパネルの耐久性にスポットライトを当て、長く使っていくにはどうしたら良いか学んでいきましょう!
ソーラーパネルの寿命はどれぐらい?
ソーラーパネルの耐用年数は一般的に20~30年程度と言われていますが、これはあくまでも「期待寿命」です。ソーラーパネル自体の歴史はまだ浅く、設置している場所や管理されている状態によって耐用年数が左右されてしまうからです。ちなみに、国税庁がソーラーパネルを資産として使用し続けることができると定めた「法定耐用年数」は17年とされています。各メーカーのソーラーパネルの出力保証、製品保証もこれらの寿命を裏付けるように15~20年の保証期間が多いようです。
ただし、この耐用年数はしっかりとメンテナンスしていることが前提となります。管理を怠ると5年も経たないうちに発電効率の低下を招くだけではなく、故障によってソーラーパネルを交換しなければならなくなるかもしれません。
ソーラーパネルを長く使うためには?
ソーラーパネルは強化ガラスで覆われているので簡単に割れることはありませんが、強風による飛来物が当たって破損するケースや、鳥が石を落として破損するケースもあります。このような場合は仕方ありませんが、次にあげる3つの症状は正しいメンテナンスや点検を行うことによって防ぐことが可能です。
① ホットスポット
ホットスポットとは、ソーラーパネルの上に鳥の糞や雑草などが長期間付着することによって流れにくくなった電気が部分的に高熱になってしまう現象です。
ホットスポットによってソーラーパネルが発熱すると発電量が低下するだけではなく、火災の原因にもなりますので非常に危険です。
基本的には雨で鳥のフンや落ち葉、埃などの汚れは落ちますが、太陽光パネルにあまり傾斜がついていない場合や、長期間雨が降らずに汚れが固まってしまうとホットスポットが生まれやすくなります。固まって残った汚れは、他の汚れを吸着して広範囲に何層にも重なった汚れになります。このような重度の汚れになるとソーラーパネルの清掃業者でも落とせない場合もありますので、発電所の汚れ具合に応じて最適な頻度でのパネル清掃が必要になります。
② マイクロクラック
マイクロクラックとは肉眼では確認できないほどの小さなひび割れのことを指します。
マイクロクラックはソーラーパネルのガラスに入っている場合とガラス内部のセル(太陽電池)に入っている2つのケースがあります。セルにマイクロクラックが入っている場合は発電に影響がありそうなことはわかりますが、ガラス部分にマイクロクラックが入っている場合もひび割れた部分から水や埃が入り、徐々に発電に影響を及ぼします。
マイクロクラックが発生する主な原因は太陽光パネル輸送時の衝撃や施工時の衝撃によるものとされています。積雪にはある程度耐えられるように設計されていますが、地震や雹(ひょう)、鳥が落とす落下物など外部から強い圧力が加わった場合に発生する場合もあります。
このような自然災害を防ぐことはできませんが、マイクロクラックを作らないようにソーラーパネルに局所的な力がかかる行為には注意が必要です。その代表的な例として高圧洗浄機によるパネル清掃があります。高水圧の水を直接パネルに吹き付けて洗浄すると綺麗に仕上がったように見えますが、パネル自体にも傷がつくほど水圧が強力なのでマイクロクラックを生み出す原因にもなってしまいます。ソーラーパネルのフレームとガラスの隙間から浸水する可能性もありますので、高圧洗浄機の使用を禁止しているパネルメーカーもあります。
③ 層間剥離
ソーラーパネルは太陽電池セル、保護ガラス、この2つを接着する封止材など複数の素材を重ねた層で形成されています。この封止材が劣化することにより保護ガラスと封止材の間に水分や空気などが進入してしまい「層間剥離」と呼ばれる現象が起こります。剥離した部分は少しずつ大きくなり、発電を妨げる場合もあります。層間剥離は10年以上使用した太陽光パネルで確認されることが多いので単純な経年劣化だと思われていますが、マイクロクラックから入ってくる水分、ホットスポットによる部分的な発熱は封止材を劣化させる原因にもなります。
ソーラーパネルが使えなくなったら?
ソーラーパネルがもし使えなくなってしまった場合は交換もしくは修理となります。まずはソーラーパネルを購入した販売会社に連絡しましょう。保証期間内であれば無料で交換・修理が可能な場合もあります。壊れたパネルの画像などを撮影してから相談するとスムーズに対応してもらえますが、感電する危険性もありますので壊れたパネルは絶対に触らないようにしましょう。
また、ソーラーパネルが1枚でも壊れてしまうと直列に繋いでいる全体に影響が及んでしまいます。壊れたパネルを発見したらできるだけ早めに交換するようにしましょう。
まとめ
ソーラーパネルの寿命は自然環境に左右されるので明確に断言できないのが現状ですが、
少しでも長く使うためには定期的な「目視点検」と「パネル清掃」が必要です。ソーラーパネル清掃は発電量を回復させるために実施すると思われているかもしれませんが、10年20年と長期間維持していくには汚れによる故障の原因を減らすことが重要です。SAPでは清掃時にソーラーパネルの汚れを1枚ずつ目視確認しているのでガラスの割れ、層間剝離、固定ボルトの外れなども発見してお客様へ報告を行っています。
今年中に実施できるパネル清掃のご予約も残りわずかとなりました。年内までにソーラーパネルの大掃除を行って綺麗な発電所で新年を迎えたいお客様はSAPまでお気軽にお問い合わせください。
以上、最後までお読みいただきありがとうございました!
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