【初級編】太陽光発電普及の切り札「PPA」って何?

花粉症がひどくて1日でティッシュ1箱なくしてしまう秋元です。
今回は太陽光発電事業に関わる私たちが最近よく耳にする『PPA』について書いてみたいと思います!

 

PPAとは

PPAとは『Power Purchase Agreement=パワー・パーチェス・アグリーメント』の略称で日本語では「電力販売契約」という意味になります。

電力販売と聞くと、SAPのブログでも度々登場するFIT制度(固定価格買取制度)が頭に浮かびますが、PPAは簡単に言うと発電事業者と電気使用者の電気売買契約のことを指します。

自分で太陽光発電システムを設置しようとすると、設備費用、工事費用、更に設置後も様々な維持管理費用が発生してしまいます。自分のために自分で設置する太陽光発電システムを自家消費型と呼びますが、高額な初期投資が必要になるので導入したくてもできない人や企業がたくさんいます。

そこで登場したのがイニシャルコスト・ランニングコスト0円のPPAです!「ただより怖い物はない」と言われますが(笑) その仕組み、メリット、デメリットについてもしっかり把握していきましょう!

 

PPAの仕組み

PPAには大きく分けて「オンサイトPPA」と「オフサイトPPA」の2種類があります。

「オンサイトPPA」はPPA事業者が、電気使用者の屋根などの敷地内に太陽光発電設備を設置しますが、「オフサイトPPA」は電気使用者の敷地ではなく敷地外に太陽光発電設備を設置します。だからONかOFFなのですね!

「オフサイトPPA」も増えてきていますが、このブログでは現在主流となっている「オンサイトPPA」をメインにお伝えしていきます。

先ほどお伝えした通り、オンサイトPPAは建物の屋根などを借りて太陽光発電設備を設置して発電を行います。そこで発電された電気を、屋根を貸している電気使用者(建物所有者)に買い取ってもらうというのがオンサイトPPAの仕組みになります。

もちろん、敷地内に設置できる太陽光パネルはスペース的に限りがあるので、建物全体の電力としては足りない場合もあります。その場合、電力会社などから足りない分を買うしかありませんが、脱炭素社会へ向けてすべての電力を再生可能エネルギーにしたい事業者さんもたくさんいらっしゃいます。だから屋根上などの限られたスペースしかない「オンサイトPPA」ではなく、敷地外に設置する「オフサイトPPA」も増えているのです。

 

PPAのメリット

前述したとおり、PPA事業者は太陽光発電設備を無料で設置してくれるだけではなく、契約期間中は無料で保守管理までやってくれるので、イニシャルコストだけではなくランニングコストも必要ありません!

「ん?太陽光のクリーンな電力を使えているけど、結局、電気料金をPPA事業者に支払っているからお得になっていないのでは?」とお気づきの人もいると思います。

そうです。ここまでだと電気使用者にとってあまりメリットが無いように思いますがPPAの魅力は契約期間が終了すると太陽光発電設備が電気使用者(建物所有者)のものになるというところです!

ただし、PPA事業者さんによって契約期間は異なりますし、条件も様々です。「なんだか細かい契約になりそうなので面倒くさい!」という方には屋根を貸すだけで賃料収入を得る屋根貸しという方法も注目されています。

 

PPAのデメリット

ここまでは良いことしかないPPAですが、デメリットはないのでしょうか?

まず思いつくのは、契約満了日以降の保守管理費用が自己負担となることですね。今までPPA事業者に支払ってきた電気料金はなくなりますが、PPA事業者が無料で管理してくれなくなるので、代わりに保守管理費用を負担することになります。

また、契約途中で建物の修繕が必要になった場合、ソーラーパネルが邪魔になり余計な工事費用が発生する場合もありますので注意が必要です。

さらに!いつか迎える発電設備の処分費用も電気使用者(建物所有者)の負担になります。

最近ではドンドン電気代が上がっているので、PPA事業者から電気を買うより初期費用を出してでも自分で設置しちゃおう!という人も増えてきているようです。

PPAで供給される電気代は、契約時の電力会社からの購入価格を鑑みて決定されますが、PPA事業者によっては様々な提案があるようです。PPA契約はPPA事業者が投資費用を回収するまでに長い期間がかかるため、契約期間も15~25年程度と長いものがほとんどです。

一度契約してしまってからの契約破棄や太陽光発電システムの処分は勝手にできませんので、PPA事業者の選択が非常に重要です。どんな提案があるのか契約内容をよく理解し、その事業者の実績やメンテナンスの経験も考慮しましょう‼

 

PPA普及の背景

今から20年ほど前の日本では太陽光発電自体が新しい産業ということもあってソーラーパネルをはじめとする部材が非常に高額だったのです。だから導入する人も非常に少なかったのですが、2012年頃から本格的に始まったFIT制度の恩恵を受け、猛スピードで成長産業となった結果、部材のコストが大幅にダウン、ソーラーパネルを設置できる施工業者が増えたことも大きく関係して多くの人や企業が初期費用を抑えて太陽光発電に取り組めるようになりました。

初期に比べればかなり導入しやすくなったとはいえ、それでも高額な費用が必要となるので、自社で導入をためらうのも無理はないですよね…

SDGs、RE100など環境への取り組みが国際的にも年々重要視される中で、2050年のカーボン・ニュートラルを目指す日本政府は、もっと積極的に再生可能エネルギーを普及させるため『PPA活用など再エネ価格低減等を通じた地域の再エネ主力化・レジリエンス強化推進事業』として「太陽光発電システムを導入する補助金を出しますよ!」という施策をはじめたのです。興味のある方は環境省のホームページを確認してみましょう!

環境省のHPはこちら

 

まとめ

2020年10月に菅さん(前・内閣総理大臣)が『2050年までに温室効果ガスの排出をゼロ(カーボン・ニュートラル)にすることに挑戦する』と宣言したことで話題を集めました「カーボン・オフセット」。カーボンは『炭素』でオフセットは『埋め合わせる』という意味の言葉です。

日常生活や経済活動において避けることのできないCO2等の温室効果ガスの排出について、できるだけ排出量を減らせるように削減努力をし、さらに削減する活動に投資する事によって排出される温室ガスを埋め合わせる、ということです。

最近では投資として太陽光発電設備を買うより、第三者としてPPA事業者へ投資することも流行っているようです。卒FITを迎えようとしている今、再生可能エネルギー事業へ新しく投資ができると注目されているPPAはカーボン・オフセットの切り札になりそうですね!

SAPが実施する太陽光パネル洗浄も、実は再生可能エネルギーを最大化させる大切な取り組みです!

SAPの過去の実績ではパネル洗浄による発電量は平均で5〜6%になります。
仮に、日本に存在する太陽光発電所の発電量がすべて5%アップした場合、石炭火力発電が排出するCO2に換算すると年間で約310万トンのCO2削減に繋がります。

杉の木1本が1年間に吸収するCO2はおよそ14kgと言われていますので、本数に換算すると約2.2億本に相当します。

太陽光パネル洗浄ができる環境への貢献は微力かもしれませんが、一人一人のちょっとした意識が環境を大きく変えていくと思います。2050年の脱炭素社会実現へ向けて、あなたも太陽光パネルを洗ってみませんか?

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