太陽光発電の低下、故障を招く「花粉」

太陽光パネルは花粉が付着することで汚れてしまい発電効率の低下を招きます。さらに、この花粉汚れを放置してしまうと固着した汚れとなり故障の原因となってしまいます。そこで今回は太陽光パネルへの影響が強いスギ・ヒノキにスポットを当てて、その対策についても学んでいきましょう!

 

花粉の飛散予想

2024年は年明けから平年より気温が高い日が続き暖冬となりました。この暖冬の影響でスギ花粉の飛散が早まり、花粉症の症状を1月頃から感じる人も多かったようです。飛散が早まったということは、常に雨風にさらされる太陽光パネルも花粉で汚れる時期に突入したことになります。
2024年のスギ花粉の飛散は関東、中国・四国、近畿、中部で2月中旬〜3月中旬の予想なっています。また、九州は2月中旬〜3月上旬、北陸、東北では2月下旬〜3月下旬頃まで花粉が飛散します。九州など早いところは3月中旬頃にスギ花粉の飛散が落ち着いてきますが、代わってヒノキ花粉の飛散がはじまります。
ヒノキ花粉が飛散しはじめる時期としては九州が最も早く3月上旬〜4月上旬、中国・四国は3月中旬~4月中旬、近畿、関東、中部が3月下旬〜4月中旬となります。東北は4月上旬~4月中旬と飛散する期間が短く、東北北部はヒノキによる花粉の影響はほとんどありません。北海道、沖縄もスギ、ヒノキの木がほとんどありませんので花粉による影響を受けません。
地域によっても異なる飛散時期ですが、スギ花粉の飛散には400℃の法則と呼ばれる飛散時期を予想する法則があります。これは1月1日から毎日の最高気温を足して400℃を超えたタイミングでスギ花粉の飛散がはじまるとされる法則です。2024年は暖冬で気温の高い日が続いたため、法則通りスギ花粉の飛散も早まったのかもしれませんね。
このように、多少の地域差はありますが毎年2月中旬〜4月中旬にかけてスギ・ヒノキ花粉には注意が必要であることがわかります。

なぜスギ・ヒノキは伐採されないのか?
花粉症や花粉汚れで多くの人を悩ませるスギ・ヒノキですが、なぜ伐採されないのでしょうか?

 

日本は戦時中、軍需用の物資として大量の木材を必要とし、高度経済成長期にかけては建築ラッシュにより国中の森林が伐採され続け、それと同時に植林も国をあげて実施されました。そこで注目されたのがスギ・ヒノキです。成長が早く、まっすぐに伸びるスギやヒノキは建築木材としても加工しやすいため、日本各地で植林が進められました。ですが、いくら成長が早いスギやヒノキも木材として使用するには30年以上かかります。すぐにでも木材が必要だった日本は当面の間、海外から木材を輸入することに頼ったのです。安価な木材を安定的に供給できる海外からの輸入は年々増えていきましたが、反対に30年以上経って収穫期を迎えた日本経済下では、国産木材を伐採加工して供給する方が割高になってしまったのです。そのため、国産木材の需要は低下し、植林されたスギやヒノキは伐採されることなく残ってしまいました。需要が無ければ新たな担い手となる若者は集まりません。総務省の国勢調査よると昭和35年代に40万人以上いた林業従事者は令和2年では4.4万人まで減ったと発表されています。

 

日本は国土の約75%が山地で傾斜地が多く、加えて季節風の影響によって降水量が世界平均の2倍以上あるため土砂災害の多い国です。その土砂災害の原因の一つとして考えられているのが木の根にあります。雨による地滑りは地層の境目から上の表層部分が流されてしまうことを指しますが、木の根は地中深く伸びることによって杭のような役割を果たし地滑りを止めてくれているのです。ケヤキやブナなどの広葉樹に比べ、針葉樹のスギ・ヒノキは効果が薄いとされますが、むやみに伐採することはできません。
前述したように国をあげて植林されたスギ・ヒノキはあえて密集するように植えられました。密集させることで木が横に広がらず、木材として加工しやすく育てるためです。ですが、ある程度まで大きくなると今度は密集して植えたことで地面に陽の光が当たらなくなり、土が痩せ、樹木も草も育たなくなるのです。そうなると木の根は地中深くまで成長せず、杭のような役割は果たせなくなり、さらに草も生えないため雨で土が削られ土砂災害を引き起こします。樹木が育たないと木材の価値としても落ちてしまうので、当時は間伐などの手入れも想定して植えられたのでしょうが、現在においては採算が取れないため放置されているのが実情です。

 

2050年までに地球温暖化の原因として指摘される二酸化炭素(CO2)の排出を実質ゼロにする脱炭素社会実現へ向けて、再生可能エネルギーの普及など様々な取り組みが進められている中に森林の整備もあります。樹木は光合成の過程で二酸化炭素を吸収し、炭素を貯え、酸素を放出するので地球環境を維持していく上でなくてはならないものです。
その樹木の中でも針葉樹のスギやヒノキの二酸化炭素吸収量は高く、特にスギはブナやクヌギなどの広葉樹の2倍以上、二酸化炭素を吸収するとされています。太陽光発電所のオーナーや花粉症の人にとっては憎いスギやヒノキも実は重要な役割を担っていたのです。

 

花粉の特性と太陽光パネルへの影響

花粉は黄砂と見分けがつかないような黄色ですが、水に濡れるとベタベタする粘着性があります。これは花粉に含まれるペクチンという成分によるものです。

何年も洗浄されていない太陽光パネルはこの工程を繰り返すため、汚れが何層にもなって簡易的な洗浄を行ったとして落ちないほど頑固な汚れになってしまいます。堆積された汚れは発電効率を低下させるだけでなくホットスポット層間剝離など故障の原因にもなるのです。
※「ホットスポット」「層間剥離」についてはこちらをご参照ください。

たまにインターネットで「太陽光パネルは洗わなくていい」という誤った動画や記事が散見されますが、太陽光パネル洗浄業者として年間何百万枚もの太陽光パネルと対峙するSAPは絶対にパネル洗浄は必要だと断言できます!だからといってどんな方法で洗浄してもいいというわけではありません。太陽光パネルの洗浄にはやってはいけない洗浄方法があるのです。

 

NG洗浄方法

太陽光パネルの設置された角度や環境によっても異なりますが、多かれ少なかれ花粉が付着することは避けられません。付着した花粉を落とすには太陽光パネルを洗浄するしか方法はありませんが、間違ったパネル洗浄をしてしまうとパネルメーカーの保証を受けられなくなってしまうかもしれません。

 

花粉を落とすためにアルカリ性や酸性の強い洗浄剤を用いて洗浄すると流れ落ちた成分が近隣の田畑などに影響を及ぼす可能性があります。また、酸性成分が強い薬剤は架台の金具を腐食させる原因にもなりますので、使用するには注意が必要です。

 

花粉汚れはペクチンが原因です。このペクチンは熱に弱い特性があるので80℃くらいのお湯をかけると固着したペクチンは溶け出します。ですが、寒い日に車のフロントガラスに積もった雪を溶かすためにお湯をかけてはいけないのと同じく、急激な温度変化はガラスの割れや製品自体の劣化に繋がるので絶対にやめましょう。

 

花粉を落とすには大量の水が必要になります。ですが、水道水には消毒するためのカルキ、井戸水には鉄分などのミネラルが多く含まれています。このような水で洗浄すると水が乾いた時にそれらの成分がパネルに残ってしまうのです。垂直にかけられたお風呂場の鏡でさえカルキで白くなるのですから、傾斜がない太陽光パネルであればなおさらです。太陽光パネルの洗浄は「純水」を使用している業者を選びましょう。

 

高圧洗浄機から出る水を直接太陽光パネルに噴射すると花粉汚れも簡単に取れますが、噴射の威力が強すぎて太陽光パネルのガラスにひび(マイクロクラック)が入ってしまう可能性があります。パネルメーカーによっては高圧洗浄機によるパネル洗浄を禁止しているところもあり、そのような業者に洗浄を依頼するとメーカーによる保証を受けられなくなってしまう可能性があります。どのような機械を使用して洗浄しているのか事前に確認するようにしましょう。

 

まとめ

花粉症の人はつらい時期が続きますが、パネル洗浄は花粉や黄砂が落ち着いたタイミングで依頼してみましょう。ですが、これまで洗浄を行なわずに汚れが堆積したまま待っていると多額の発電機会を損失してしるかもしれません。時間を空けてしまうと汚れも固くなってしまうので洗浄費用も高くなってしまいます。そのようなことを避けるためにも「汚れていると感じた時」が一番のタイミングです!
まずはお気軽に太陽光パネル清掃業者SAPまでにご相談ください!

 

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