【初めてでも分かる】事業用太陽光発電のメンテナンス費用は?住宅用も解説!

事業用太陽光発電のメンテナンス費用は、WEBで検索しても明確な金額が出てこないと困っていませんか?これは、発電量や設置環境によって金額が大幅に変わってしまうので、ひとくくりに「1kWあたり○○円」とは言えないためです。

当社は日本全国の事業用太陽光パネル(ソーラーパネル)の洗浄・除草をおこなっていますが、やはり汚れ具合や設置場所によって費用が大きく異なります。しかし、事業用太陽光発電のメンテナンスにどのような費用がかかるのかは知っておきたいですよね。

この記事では、経済産業省や資源エネルギー庁などの資料を参考にしながら、事業用太陽光発電のメンテナンス項目や費用について解説していきます。また、記事の後半には住宅用太陽光発電のメンテナンスについてもまとめています。

この記事を読めば、事業用・住宅用太陽光発電のメンテナンス概要を知ることができます。事業用太陽光パネルの洗浄・除草を専門とする当社だからこそお教えできる「太陽光パネルの除草費用の具体的な相場(※事業用のみ)」も記載しています。事業用太陽光パネルの洗浄や除草の見積もりを検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

事業用太陽光発電のメンテナンスについて

2017年4月FIT法改正後、すべての事業用太陽光発電のメンテナンスが義務化されました。読者の方の中には「メンテナンスフリーと聞いていたのだけど…」という人もいるかもしれませんが、それはFIT制度開始当時の話です。

現在は、発電量に関係なくFIT認定を受けた太陽光発電はメンテナンスが法律で義務づけられています。メンテナンスをサボってしまうと、せっかく発電した電気を買い取ってもらえなくなる可能性もあるので、注意してください。

なお、どのようなメンテナンスが必要かは太陽光発電所の環境や設備によって異なります。
資源エネルギー庁が発行している【事業計画策定ガイドライン(太陽光発電)】にも「これをすればOK」という基準は記載されていません。

メンテナンス内容を決める際は、同資料の付録で紹介されている【太陽光発電システム保守点検ガイドライン】を参考に、専門業者と相談しながら決めていくと良いでしょう。

発行元:資源エネルギー庁
事業計画策定ガイドライン (太陽光発電)/2022年4月改訂版

発行元:一般社団法人 日本電機工業会、一般社団法人 太陽光発電協会
太陽光発電システム保守点検ガイドライン/2019年12月27日改訂版

 

事業用太陽光発電の維持費やメンテナンスの内訳は?

事業用太陽光発電の運転維持費(メンテンナンス費用)の2023年度の想定値は1kWごとに5,000円(/年)(※1)とされています。

費用項目は
・日常運転管理・監視費
・定期点検費用
・パネル周りの除草作業
・保険料
・修理代
・土地貸借料
などがあります。(※2)

このうち、洗浄・除草・保険料・その他見落としがちな項目について説明していきます。

※1:参考:経済産業省発行「令和4年度以降の調達価格等に関する意見」より
※2:参考:公益財団法人 自然エネルギー財団発行「日本の太陽光発電の発電コスト 現状と将来推計(2019年7月版)

① 太陽光パネルの洗浄

事業用太陽光パネルの洗浄は年に1回ほど行う人が多いです。太陽光パネルの洗浄をサボっていると、発電効率(売電量)が低下し、最終的には大規模な機会損失に繋がります。

また、放置しすぎた汚れは安価に施工できる機械洗浄では落とすことができず、パネル1枚ずつ手作業で汚れを落とさなければならなくなります。文字通り手作業になりますので、作業員の手の届かないところは汚れが残りますし、洗浄費用が非常に高額になってしまいます。

必ず定期的に洗浄をおこなうようにしましょう。

② 太陽光パネル周辺の除草

雑草が太陽光パネルを覆ってしまい、影ができると発電量が低下してしまいます。長年放置していると雑草が木のように成長し、パネルを突き抜け破損させていることも…!思わぬトラブルを招かないためにも、除草も定期的におこなう必要があります。

気になる除草料金の相場ですが、「作業面積」で換算したものが以下になります。

なぜ同じ面積でこんなに料金に幅があるのか、詳細は別記事「草刈りの相場を知り、優良業者を探そう!」でご紹介しています。安い業者に依頼するリスクや追加料金となる事項も紹介していますので、太陽光パネル周りの除草を検討中の方は、ぜひチェックしてみてくださいね。

③ 事業用太陽光発電の保険

運転維持費として必ず必要になってくるのが保険料です。「メーカー保証があるから大丈夫」と思っている人は要注意です。原則、メーカー保証は自然災害については補償してくれません。自然災害の損害に備えるために、自分で保険に加入しておくことをオススメします。

事業用太陽光発電で検討した方が良い保険についてご紹介しておきます。火災保険・動産総合保険・賠償責任保険は、既に会社で加入しているもので賄えることも多いですが、補償が十分か見直してみるのもよいでしょう。

④ 見落としがちなメンテナンス項目

・太陽光パネルの修理・交換
寿命は20~30年と言われる太陽光パネルですが、自然災害などで修理・交換が必要となる場合があります。本体の修理・交換費用以外に工事費も念頭に置いておきましょう。

・防草シート
除草剤が散布できない発電所などには、防草シートを使用する場合があります。当社では、10年保証がついている「ウィードシールド」を取り扱っております。気になる方は、「「今から動こう!」太陽光発電所の除草」で紹介しているので、ぜひこちらの記事もご覧ください。

・パワコンの修理・交換
パワコン(パワーコンディショナー)は太陽光パネルより寿命は短く、10年ほどと言われています。メーカー保証期間内で条件を満たせば無料で修理・交換することもできます。

・固定資産税
法人が所有する太陽光発電設備は「償却資産」とみなされ、固定資産税の課税対象となります。太陽光発電設備の耐用年数は「17年」で計算します。計算方法は、東京都主税局のサイトなどで確認することができます。
リンク:東京都主税局 | 固定資産税(償却資産)

・所得税(事業所得)
売電収入は、所得に応じて所得税が課税されます。計算方法は、国税庁のサイトなどで確認することができます。
リンク:国税庁|事業所得の課税のしくみ(事業所得)

・廃棄費用
長く使える太陽光発電設備ですが、いつかは廃棄する時が来ます。ところが、2019年の経済産業省の調査で、廃棄等費用を積み立てていた事業者は2割以下ということが判明。この結果を受け、「太陽光発電設備の廃棄等費用の積立制度」が実施されることとなりました。

「太陽光発電設備の廃棄等費用の積立制度」を簡単に説明しますと、「太陽光発電設備を所有する事業者さんは、廃棄する費用を(原則)外部に積み立てておいてくださいね。」といった内容になります。

こちらの制度の対象は、FIT・FIPの認定を受けている10kw以上の太陽光発電事業者すべてです。最も早い対象者の積み立ては2022年7月からすでにスタートしています。詳しくは別記事「誰でもわかる!「太陽光発電設備の廃棄費用積立制度」」でご紹介しておりますので、ぜひチェックしてみてくださいね。

 

住宅用太陽光発電の維持費やメンテナンスの内訳は?

2017年4月のFIT法改正後、FITを利用している場合は住宅用太陽光発電もメンテナンスが義務化されるようになりました。つまり、住宅用だからと言ってメンテナンスを怠っていると、売電できなくなる可能性があるのです。住宅用であっても、しっかりとメンテナンスをおこなうようにしましょう。

 

費用について

経済産業省が提供している資料「令和4年度以降の調達価格等に関する意見」によると、住宅用太陽光発電の運転維持費(メンテナンス費用)について、2023年度の想定値は1kWごとに3,000円(/年)(※3)とされています。

※3:参考:経済産業省発行「令和4年度以降の調達価格等に関する意見」より
(20年で定期点検5回とパワーコンディショナー交換1回を想定したもの)

① 住宅用太陽光発電の定期点検

定期点検の1回あたりの費用は、発電量が5kwの場合で約2.9万円が相場(※4)と言われています。

※4:参考:経済産業省発行「令和4年度以降の調達価格等に関する意見」より

② 太陽光パネルの洗浄

住宅用太陽光パネルの場合は、山間部に比べると、汚れの原因となる土埃や花粉・樹液などの影響が少なく、また屋根の勾配が急であれば、ある程度の汚れは雨で流れてくれるので、頻繁に洗浄をする必要はありません。

なお、屋根に設置している太陽光パネルを洗浄する場合、洗浄費用とは別に屋根にアプローチするための高所作業車や足場を設置する必要があります。意外と費用がかかるのでびっくりしないようにしてください。

だからと言って自分で洗浄するのはNGです。太陽光パネルに水道水は大敵(水垢がついて取れなくなるため)ですし、屋根に上って作業するのはとても危険です。汚れが気になる時は、専門業者に依頼するようにしましょう。

③ 住宅用太陽光発電の保険

「メーカー保証があるから大丈夫」と思っている人は要注意です。原則、メーカー保証では自然災害は補償してくれません。自然災害の損害に備えるために、自分で保険に加入しておくことをオススメします。

ただ、住宅火災保険または住宅総合保険に加入している場合は、こちらの保険でカバーできるものもあります。また、太陽光パネルが落下して通行人にケガを負わせてしまった…など、他人に損害を与えてしまった場合も、個人賠償責任保険で備えられる可能性が高いです。

一度、ご自身が加入している保険が、太陽光発電のトラブルを保証してくれるのか見直してみましょう。特に、保険に加入した後に太陽光パネルを設置した方は、補償が不足している可能性があります。心配な方は、保険会社に問い合わせてみるのもいいかと思います。

④ 見落としがちなメンテナンス項目

・太陽光パネルの修理・交換
寿命は20~30年と言われる太陽光パネルですが、自然災害などで修理・交換が必要となる場合があります。本体の修理・交換費用以外に工事費も念頭に置いておきましょう。

・パワコンの修理・交換
パワコン(パワーコンディショナー)は太陽光パネルより寿命は短く、10年ほどで交換するのが一般的です。交換費用は、発電量が5kwの場合で22.4 万円程度が相場(※5)となっています。

※5:参考:経済産業省発行「令和4年度以降の調達価格等に関する意見」より

・固定資産税
個人(住宅用)の太陽光発電であっても、発電出力が 10kW以上のものは、固定資産税(償却資産)の申告が必要となる場合があります。また、屋根と一体型の太陽光パネルは、住宅の一部と見なされ、発電量は関係なく固定資産税が課税されます。所有する太陽光パネルが課税対象か気になる方は、市のホームページなどで確認してみてくださいね。

・所得税(その他雑所得)
売電収入は、所得に応じて所得税が課税されますが、売電所得が20万円以下の場合は、原則として確定申告の必要はありません。ただし、売電所得以外にも副業などで収入があり、雑所得が合計で20万円を超える場合は確定申告が必要です。なお、売電所得が20万円以下の場合でも、市県民税の申告は必要なので忘れないように注意しましょう。

・廃棄費用
長く使える太陽光発電ですが、いつかは廃棄・撤去する時が来ます。いざ廃棄または撤去するときになって困らないように、予算を立てておきましょう。屋根の修繕費用も発生する場合があるので、計画的に積み立てておくことをおすすめします。

なお、FIT・FIP認定かつ10kW以上の太陽光発電の場合は「太陽光発電設備の廃棄等費用の積立制度」の対象となり、廃棄する費用を外部に積み立ておく必要があります。詳しくは別記事「誰でもわかる!「太陽光発電設備の廃棄費用積立制度」」でご紹介しておりますので、ぜひチェックしてみてくださいね。

 

太陽光発電のメンテナンスで知っておきたいこと(事業・住宅共通)

点検の時期は?

冒頭でもお伝えした通り、メンテナンスの頻度は設置環境によって変わります。最低限、初回は設置1年目、以降は4年に1回を目安に定期点検を行いましょう。なお、海沿いなど塩害の影響を受ける地域、積雪が多い地域や、大型台風など自然災害に遭った時は、上記よりも多めのメンテナンスをした方が好ましいです。

洗浄のタイミングは?

当社でもよくお客様から洗浄のタイミングをお問い合わせいただきますが、「汚れているのなら今すぐ」をおすすめしております。理由は、どのような時期であっても「汚れたまま=毎日、発電機会を損失している」ことになるためです。特に「太陽光パネルを導入してから洗浄を一度も行っていない」「2年以上パネル洗浄を行っていない」という人は「汚れている時が洗い時」ですので、ぜひ当社へお問い合わせください。
リンク:「いつがオススメ?」太陽光パネル清掃のタイミング

メンテナンス費用は自己負担?

定期点検の場合は、施工会社や販売店が無料で行っていることもあります。自分で手配する前に確認してみてくださいね。

自分でできないの?

太陽光発電設備や太陽光パネルに直接触れるような作業は感電等の可能性もあり、大変危険です。専門業者に任せることを強くオススメします。

ご自分でできることは
・発電量をモニタリング(トラブルを早期発見できる)
・目視(パネル等に破損はないか)
・パワコンの動作音など(異常音がないかどうか)
など、設備には触らない範囲となります。

業者に頼むべきことは、
・電気点検や電気系統を触る作業
・太陽光パネルの洗浄
・除草作業
などです。設備に触る作業や設備付近のメンテナンスは専門業者に依頼するようにしましょう。

メンテナンス業者の選び方は?

一番初めに候補として挙がるのは、太陽光発電を買った施工店や販売店かと思います。無料の場合と有料の場合があるので、確認してみましょう。

しかし、施工店や販売店以外…つまり「メンテナンスの専門業者」にお願いするという選択肢もあります。そもそも施工店や販売店は、太陽光パネルの設置や販売が本業です。メンテナンスの専門家ではないため、メンテナンスに対して人員が割けない、実はメンテナンス分野は不得手、という可能性があるのです。

今のサービスでトラブルや不満が無いのならいいですが、少しでも不安を感じている方はぜひ一度メンテナンスや洗浄等を専門としている業者へ相談してみてください。

問い合わせ・お見積り依頼をするときに必要な情報は?

最低限の情報として
メンテナンスの場合
・機種名/型番、メーカー名
・購入時期
・太陽光発電のシステム容量 など

洗浄の場合
・発電容量
・太陽光パネルの枚数
・設置状況(架台の高さ、パネルの傾き)
・汚損状態
・未洗浄期間 など

除草の場合
・発電容量
・敷地面積
・ご希望の除草内容(刈り倒し・蔦取り・除草剤・伐採)
・雑草の草丈の最大の高さや平均的な高さ
・未除草期間 など

を用意しておけば、スムーズに話を進めることができるかと思います。

 

まとめ

 

事業用太陽光発電と住宅用太陽光発電、それぞれのメンテナンス費用について説明しました。
太陽光発電に関する情報はエネがえるでも詳しく解説されているので、ぜひチェックしてみてください。

もし、事業用太陽光パネルの洗浄業者や除草業者をお探しなら、当社【株式会社SAP(ソーラー・アセット・プロテクト)】にご連絡ください。

電話でのお問い合わせ:04-7193-8283
WEBからのお問い合わせ:https://sap-solar.jp/contact/index.html

以上、最後までお読みいただきありがとうございました!