【ソーラーパネルが熱に弱い?】日照時間の多い夏に発電量が低下する理由

≪猛≫残暑お見舞い申し上げます!

本格的な夏が終わろうとしていますが、皆様お元気でしょうか?!
年々暑さが厳しくなり、今年も全国で最高気温が更新されましたね。太陽光とパネルの輻射熱のWパンチで夏バテ気味のわたくし秋元は帰宅後のビールを楽しみに残暑を乗り切っております。

さて今回はギラギラした太陽光が降り注ぐ夏に、なぜ発電量が低下するのかを調べてみましたのでビール片手にお付き合いください。(笑)

 

発電量が増える時期は?

今さらですが、太陽光発電は太陽光パネルに光があたればあたるほど、たくさんの電気を作ってくれます。つまり日照時間の一番多い夏が、一番売電できるはず!ですよね?
これから太陽光発電をはじめたいとご検討中の方も、『夏に間に合うように設置したい!間に合う?』と希望されることが多いそうです。

太陽光発電には日照時間が大きく関係しているのは当然のことです。
太陽が一年で一番日本を照らす時間が長い夏至と、逆に照らす時間が一番短い日冬至では夏至前後の夏場の方がどう見ても発電には良さそうですよね?(ちなみに2021年は夏至が6月21日と冬至が12月22日になります。)
また、夏と冬では、明らかに日射量(太陽から放射されたエネルギー量)は夏の方が強く感じられます。この情報からすると6月から8月にかけて発電量が増えることが期待されるのは間違いないのですが…

夏がダメな理由はなんでしょうか?

 

夏に発電量が増えない理由

それは…まさかの!ソーラーパネルは熱に弱いという弱点を持っています(;゚Д゚)
『太陽光を受けるものなのに?!』と私も知ったときは驚愕しました(笑)

最も普及率が高い結晶シリコン系のソーラーパネルは、太陽電池という半導体の集合体です。半導体とは条件によって電気を通す物質のことで、シリコンの場合はその条件が『光を当てる』ことになります。つまりシリコンに太陽光を当てて電気が生まれていますが、このシリコンが高温になると性能が低下する特徴がある為、パネル本体が高い熱を帯びると発電効率が落ちてしまうのです!

太陽光パネルの表面温度は暑い夏には目玉焼きが作れるほど?(笑) 熱くなってしまいます。
その温度は80℃にも達することがあり、冬でもお天気がいい日は40℃まで上がることもあるそうです(>_<)

最も効率よく発電する『パネル温度』は25℃と言われていて、各パネルメーカーが紹介するパネルの性能も、測定時のパネル温度が25℃であることを前提に評価されます。

そのパネルの性能はパネル温度が25℃より1℃上昇する毎に0.5%発電量が低下していくと言われていて、真夏はこの計算でいくとなんと20%以上も発電量が低下している可能性があるのです!余談ですがパネル汚れによる損失は平均5%程度(SAP調べ)にも及びますので、こうしてお金にして計算すると怖くなりますね、、、。

つまり、太陽光発電システムが最も効率よく発電できるのは、太陽光はよく当たるけれども気温は高くない、涼しいときということになり、この条件に一番当てはまるのが3月から5月頃にかけてということになりますね!
前回のブログにも書かせていただいた洗浄の人気時期ともピッタリ重なりますね!

 

地域による特徴

日本は四方を海に囲まれた島国で南北に2,787km、東西に3,146kmもあるので地域によって大きく気候が変わります。雪があまり降らない地域では、乾いた晴天が多い傾向があり、その場合冬でもたくさんの太陽光が射すので夏より冬に発電量が上がる地域もあります。夏は雨や台風が多いことも関係して、完全に発電量が逆転してしまうこともあります。これは日本の南の地域に多く見られます。

太陽光発電に熱は必要がなく、素材であるシリコンは気温が高くない方がよく働いてくれるので、暑い夏より寒い冬の方が効率よく電気を作り出すことができるのです。外気温が低いと太陽光によって温められるパネルの表面温度を下げる働きも期待できますね。

沖縄に太陽光発電所が少ない理由は、温暖で日射量は確保しやすいけど、気温が高すぎて発電効率が落ちてしまうからなのですね。反対に北海道は雪が降りますが、梅雨の影響が少なく、夏も涼しいので熱によるエネルギーロスが少ないことを考えるとたくさんの発電所があることも納得できますね。

山梨県・群馬県なども太陽光発電が盛んなことで有名ですが、年間を通して降水量が少ないことや、比較的標高が高く夏場に気温が上がりにくいことが、発電量の多さに繋がっていると考えられます。

≪関連記事≫「いつがオススメ?」太陽光パネル清掃のタイミング:https://sap-solar.jp/megasolar/2021/06/03/

 

熱に強いパネルの台頭

そんな熱による弱点を克服しようと、熱に強いパネルの開発も進んでいます。それはCIS系のパネルと呼ばれ、最も多く流通しているちょっと青っぽく見えるシリコン系のパネルではなく、見た目が真っ黒なパネルです。

CISとはパネルの原料である化合物『銅』『インジウム』『セレン』の元祖記号の頭文字が名前の由来となっています。これらの元素を薄膜状にして太陽光パネルに用いています。CISのメリットとしては今回取り上げた問題でもある真夏の電気変換効率の低下が少ないことです。パネルが高温になったとしても従来のシリコン系のパネルほど影響を受けないことが魅力です。他にも部分影の影響や部分汚れの影響による出力低下が少なく済むことも長所としています。

更にシリコンが高価なことに比べ化合物は安価なこと、製造工程においても工法が簡単で大量生産に向いていることから今後は更に価格も下がっていくと予想され、需要は伸びていくでしょう!

CIS系のパネルは熱にも部分汚れにも影響されにくいパネルですが、パネル汚れを放置しておくと発電量が確実に低下するだけでなく、パネル本来の性能劣化を早め、故障の原因となってしまいます。太陽光パネルは「メンテナンスフリー」ではありません!気温が高いわけでもないのに発電量が前年より上がらなかったらパネルの汚れが原因かもしれません。発電量をチェックしていて気になった方は下記のお問い合わせフォームから太陽光パネル洗浄のSAPまでお気軽にご相談ください。

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