【太陽光パネルコーティング】世界に1台「SAPLASTER Ⅰ」登場なるか?

皆様はじめまして!今年から入社しました加納と申します。
フレッシュな22歳!ですが残念ながら男です。男性読者の皆さまの期待を裏切ってしまい申し訳ございません。(笑)

入社日から「昆虫食が好き」だとカミングアウトし、職場を凍りつかせた私は工務部に配属されました。主に現場作業がメインとなりますので、現場が落ち着く時期にちょこちょこ顔を出させていただきます。今後ともよろしくお願いいたします!

まだまだ覚えることが山ほどあって悪戦苦闘中の私ですが、実際に現場へ出向くと驚くことがたくさんあります。例えば、先月の太陽光パネル洗浄を行った現場でのことです。

ある日の現場で

SAPではPVクリーナーという太陽光パネル専用の洗浄機を使用して洗浄しているのですが、普段はその洗浄機をパネルが連結している架台から次の架台へ持ち上げて移動するので、その日の作業が終了するまでは地上に降ろしません。

ですが、この現場では何故か作業の途中でそのPVクリーナーを降ろしたのです!
目の前の状況が呑み込めずにいる私に対して、先輩が一言。
「これからコーティングに移るから、よく見といて。」
コ、コーティング?

一体これから何をするんだろうと思う私を尻目に、コーティング剤らしき液体を手際よく混ぜ合わせる先輩たち。
どうやら、洗浄後すぐにそのコーティングとやらを行わないといけないみたいです。
気になることも多いですが、今自分に求められていることは先輩達の足を引っ張らずに作業へ加わることのみ!
気になることはひとまずメモに書き、自分に何か手伝えることはないかと聞いてみると、
「今回機械でコーティング施工はできない。手塗りでのやり方を教えるから見ていて。」
なるほど、機械でやる場合と手塗りでやる場合があると、ここは洗浄と同じですね。

ここで先輩の口からサラッと驚愕の一言
「太陽光パネルのコーティング機械は世界に1台しかないんだよ。」

 

えっ!!世界に1台!?
太陽光パネル専用のコーティング機械、その名も「SAPLASTER Ⅰ(サプラスター Ⅰ)」
見たかった…。洗浄機のPVクリーナーでも1,000万円近くすると聞いていたのに、世界に1台しかない「サプラスター Ⅰ」は一体いくらするのか気になるところですが、そんなことを考えていると現場監督から一言。

「少しでも汚れがあるとコーティング出来ないから絶対に手を抜くなよ!洗浄する場所は全部塗るから!それまで帰れないからね!」

なるほどなるほど、、洗浄した太陽光パネル全てにコーティング剤を塗ると。
普段は優しい先輩の「帰れない」という言葉に恐怖を抱きつつ着々と準備が整い、いよいよコーティング作業が始まりました。

作業工程自体はシンプルで「コーター」と呼ばれるコーティング専用のモップの先端にコーティング剤を付け、それを洗浄後の太陽光パネルに均等に塗っていくという方法です。
洗浄後すぐに行うのは、時間が経って、汚れが付着してしまった太陽光パネルの上にコーティング剤を塗ってしまうと、汚れも一緒に固着してしまうからだそうです。

 

コーティング作業は塗り残しが無いように1チーム3人体制で厳重に目視確認しながら進めていきました。私はまだ塗る技術が無いので塗らせてもらえませんでしたが、素早く、ムラなく、均一にコーティング剤を塗っていく先輩の姿がとてもカッコよく、「早く一人前にならなくては!」と心に誓い、先輩のサポートに徹していました。

このコーティング作業は常に天気との戦いでもあります!
作業中はもちろん、作業後も12時間以内に雨が降ってしまうと、せっかく塗ったコーティング剤が全部流れて無駄になってしまうんです!始めに決めていた施工予定日があいにく長雨にあたってしまい、実は3日も遅れてしまっていたそうです。天気予報である程度対策を取ることはできますが、お天道様は気まぐれですからね…。女心と秋の空って感じですかね(笑)

 

直前まで工務部のみんなで天気予報を見まくったはずなのに、施工途中にいきなり通り雨に降られ、作業を中断したこともありました…。

幸いにも雨はすぐに止み、作業もすぐに再開できましたが、あの時私は内心ヒヤヒヤしていました。何しろ、洗浄した太陽光パネルは今日中に全てに塗らないと帰れませんからね(笑)

そんなトラブルに見舞われつつも、その後は順調に作業が進み、無事にコーティング施工を全て終了させることが出来ました。あとは家に帰ってお風呂に入って冷えたビールを飲むだけ…、現場作業が終わった後の特権ですね! …いやいや、冷えたビールも大事だけれどちょっと待った!

そもそも現場で塗っていた、あのコーティング剤はいったい何だったんだろう!?

 

太陽光パネルコーティング「AR“リ”コート」

当ブログでは、太陽光パネルは汚れによって様々な損失を生んでしまうということをお伝えしてきました。『発電量の低下』『故障の危険性』『資産価値の低下』などなど…。

SAPではそういった損失を回復、改善の為に太陽光パネル洗浄をオススメしているのですが…、そもそも太陽光パネルそのものが汚れなければ、洗浄をする必要なんて無くなりますよね!

そこでSAPは「ARリ・コート」と呼ばれる液剤を太陽光パネルに塗布し、発電量アップ&汚れを付きにくくするコーティングを行っています。それが今回の現場だったのです!やっと繋がった(笑)

そもそも太陽光パネルにはARコート「Anti-Reflection coat(反射防止コート)」と呼ばれる光の反射を減少させて透過率をアップさせる薄膜(コーティング)が施されています。
このARコートのおかげで、およそ2%分ガラスの透過率がアップすると言われています。
つまり2%分多くの太陽光を取り込み、それが発電量増加へと繋がるという事ですね!

もともとコーティングされているのなら、もう一度塗る必要なんて無いのでは?
いえいえ、そうは問屋が卸しません。

 

実はこのARコート、日数が経てば経つほど劣化していき、数年以内に効果を感じないようになるのです。車のコーティングにも持続期間があるのと同じと言えばイメージしやすいのではないでしょうか?よく太陽光パネルはメンテナンスフリーと言われていますが、決してそうではないということですね。

そこでSAPでは既存のARコートの上に、更にARコートを塗る「AR“リ”コート」を行っています。これによってARコートの性能を途切れさせることなく、その効果を発揮させることが可能になるとのこと!さらにSAPのARリコートには、透過率アップ以外にも「帯電防止」「耐薬品性」「超親水性」など多くのメリットがあるんです!

…なんだか分かるような分からないような、そんな言葉が並んでいますね。
このブログを書いている張本人が分かっていない部分もありますので、こっそり調べてみました(笑)

 

ARリコートのメリット

帯電とは、「物体が電気を帯びた状態」の事を指す言葉です。下敷きで髪を擦って持ち上げると、髪がくっついて持ち上がる、なんてこと小さい頃に試したことはありませんか?
あの現象は下敷きと髪が電気を帯び、帯電して起こる現象なのです。その現象が太陽光パネルにも同じように起こっているのです!帯電した太陽光パネルの表面に、同じく帯電した砂塵や鉄粉、酸化物などが引き寄せられ、くっついてしまう… といったメカニズムで汚れが蓄積してしまうのです。それを防止する為に、パネル表面へ帯電防止を兼ねたコーティング剤を塗布し、未然に防ごうというわけですね!

 

読んで字のごとく、様々な薬品に対して耐性を持っているということですね。一見太陽光パネルには必要のなさそうな機能ですが、実はこの機能もとても大事なんです!屋外に置かれている太陽光パネルは酸性雨をはじめ、様々な環境汚染物質、沿岸部であれば塩化ナトリウムやミネラルなど目には見えない影響を常に受けています。こういったものが要因となり、太陽光パネル表面に汚れが付着したり、最悪の場合太陽光パネル自体を変形させることにも繋がります。これらの不安要素を耐薬品性のあるARリコートで被害を可能な限り軽減させることができるのです!

 

超親水とは、水滴接触角が5~10度になる状態のことを指します。…いきなりこんなことを言われてもピンときませんね (´・ω・)? 簡単に言うと太陽光パネル表面に付着した水滴がベチャっと潰れて広がるように下へ流れていく状態のことです。太陽光パネル表面の水の流れをこのような流れ方にするコーティングを親水性のあるコーティングと呼びます。

それとは逆に水滴接触角が75~90度、つまり水滴が玉のようにコロコロと転がって流れていくコーティングのことを撥水性のあるコーティングと呼んでいます。撥水性のあるコーティングは水滴が水玉となり、その水玉部分に光が集中してパネルの表面に温度変化を起こすので水の跡が残ってしまいます。天気の良い日に井戸水や水道水を使って太陽光パネルを洗浄してしまうと不純物やカルキの成分などがパネルの表面に白く残ってしまうので注意が必要です。

 

親水よりもさらにベチャっとなる超親水は、水滴が潰れることによってパネル表面の温度が変化しにくく、水滴のように「点」ではなく、「面」で汚れを巻き取りながら流れるのでもともと太陽光パネルが備えていた自浄作用を手助けしてくれるということです!

「ARリコート」の性能を要約すると、汚れを寄せつけず、発電能力もアップし、さらに自浄作用の向上まで見込めるといった具合ですね!

ここまで聞くと「すぐにコーティングをやりたい!」と思われますよね。実は本当の私の原稿はここで終わりでした。ブログ初心者ということもあり、営業部の先輩に原稿チェックをお願いしたところ、重要なところが抜けている!とご指摘いただき、先輩の知識を借りてARリコートにはデメリットもあるということを説明します。

 

ARリコートのデメリット



太陽光パネルメーカーが提供する保証サービスには主に2つの保証があります。いつも通り使っていたのに「パワコンが故障してしまった!」そんな時に対応してくれる「システム保証」と、メーカーが定める出力値を下回った時にサポートしてくれる「出力保証」です。
この2つは「いつも通り使っていた」ということが条件になりますので、SAPの「ARリコート」に限らず、太陽光パネルのコーティングを行うと保証対象外となってしまいます。
余談ですが、「いつも通り使っていた」というのはパネル洗浄にも当てはまります!
SAPが推奨する「PVクリーナー」と「純水」による洗浄は、洗浄後のパネルへのダメージを正確に測定するEL測定検査をクリアしているので、あらゆるメーカーに認めていただいておりますが、メーカーに認められていない洗浄方法で安価に太陽光パネル洗浄を行う業者もたくさん存在します!依頼する業者の洗浄方法を事前にしっかり確認して、その洗浄方法で問題はないのか?メーカーへ問い合わせてみましょう!洗浄しただけで保証を受けられなくなったら大変ですからね!

 

長い間、外の過酷な環境に晒され続けた太陽光パネルには必ず多少の歪みや傷があり、洗浄しても目に見えない汚れ残りが存在します。しかも日が出たり陰ったり、風が吹いたり止んだりする屋外での塗布作業になりますので、どうしても塗りムラが出来てしまいます。
真っ黒いパネルに施工すると目立ちますが、シリコン系の青っぽいパネルであればそれほど目立ちません。

 

まとめ

こちらのブログを読んでいる方の中に太陽光パネル洗浄を検討中の方がいらっしゃったら、是非コーティングも視野に入れてみてはどうでしょうか?

もちろんメリット・デメリットはしっかりご理解いただきご検討ください!
誠心誠意、施工させていただきます!

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